注、2005年に放送された「荷物を取り返せの段」が元になっているためそちらを見てから
じゃないとさっぱりわからない話です。それを覚悟の上でどうぞ。














あれでもさ、団蔵って結構甘えるの下手だから・・・ね。




甘やかし 弐式





「なぁ、庄左ヱ門。つかぬ事を聞いてもいい?」
「何?兵太夫」
「何でお前もこっちにいるわけ?」
「そりゃあ、清八さんを運ぶのを手伝ったからだよ」
「じゃなくてさ、いつものお前なら山田先生の補習授業がより面倒くさい方向に変更になりか
かっても、学級委員としてあの場に残ってるだろ?何で今日に限ってこっちに来てるのさ?」
「うわ〜説明的な台詞を有難う」
「うるさい。誤魔化すなよ。僕明日三ちゃんと街に行く約束してるんだから、雨になると困る
んだよ」
「失礼だな。僕だって偶には面倒ごとを避けたくもなるさ」
「鉄壁の笑顔で大嘘ついて良心痛んだりしない?まぁ、そんなことはどうでもいいけど団蔵の
ことだよ?」
「何か色々引っかかる言い方だなぁ。それはともかくいいんだよ、あれは団蔵の仕事だから。
僕が手を出すことじゃない」
「いつもだったら手も口も出すじゃないか」
「そりゃいつもならね。でも今回ばかりはさっきも言ったように完全に一部の隙もなく団蔵の
仕事だから僕に手を出す権利は無いんだよ」
「どういう意味かさっぱりわからない」
「君、考えること放棄していない?まぁいいやつまりさ、荷物が盗まれた以上馬借として最も
優先させなきゃいけないのは荷物を取り返すことだろう?」
「まぁ、商売人としちゃそうだろうね」
「きり丸みたいな発想だなぁ。それは置いておいて団蔵は頭のてっぺんから足の先までばっち
り馬借で、その上加藤村の若旦那って自覚がある。ここまでは何となくわかる?」
「あー、なるほど団蔵単純だもんね。馬借としても加藤村の若旦那としても今は荷物を取り返
すのが最優先事項で、あいつの頭の中は今はそれで精一杯ってこと?」
「正しくは精一杯というより精一杯にしなきゃいけない状態って感じかな。本当は清八さんの
ことが心配で誰よりこの場にいたいんだろうけど、若旦那としてそれより優先しなきゃいけな
いことが分かってるからね。団蔵は」
「回りくどい言い回しするなよ。単純な話みたいなのにわからなくなる」
「つまり、今のあいつは『忍たま団蔵』じゃなくて『加藤村の若旦那』として動いているんだ
から僕らが手を出すのは筋違いってこと」
「なるほど。あくまで馬借として動いてる以上忍術学園一年は組の一員として動くのはあいつ
の望むところじゃないってわけか」
「そういうこと。僕としてはできる限り団蔵の意思は尊重してあげたいんだよ」
「でも、山田先生も手伝っているししんべヱもついてるよ?それはいいの?」
「いいんだよ。幾らなんでも一人じゃ危ないだろう?それに山田先生くらい腕の立つ大人がい
なきゃいくら団蔵の仕事でも僕は手を出してるよ。危ないし荷物も取り返せるとは思えないか
らね。最低限必要な人数だと思うよ」
「ふうん、じゃあお前はその最低限必要な人数で団蔵は大丈夫だって思ってるんだ」
「確信さ。団蔵だもの」
「そりゃまた、高評価だね」
「そう?的確で読み間違えもしてないと思うよ?」
「まぁ、お前のことだからそのとおりなんだろうけど」
「お褒めに頂き光栄だね。まぁ、そういうわけだから僕は団蔵が帰ってきて完全に安心できる
ように清八さんの看病のほうを頑張っておこうかなと思うんだ。団蔵の分までね」
「ふうん、ねえ庄左ヱ門」
「何?」
「お前やっぱり僕よりよっぽど団蔵に対して甘やかしぃだよ」
「そう?そんなつもりはないんけど」







「大嘘つき」







計算して絶妙な甘やかし方するくせに、と言い捨てると兵太夫は僕に向かってあかんべぇをし
た。
僕はそれをただ困ったように笑うばかりだった。




























アニメに対する自己保管のための庄左ヱ門VS兵太夫の話。
いや、だって庄左エ門は以前アニメで黒古毛先生の料理ですら学級委員の使命感で試食しよう
とした猛者ですぜ?面倒だからなんて理由で逃げやしないって。
なので己のためにきっと団蔵がらみなんだよってちゃんと理由をくっつけてみた。
そしたらこうなった。・・・いいんだよ二次創作なんて9,5割は捏造でできてるんだから。
庄左エ門は全てを計算した上で絶妙な甘やかし方をするので他の誰も適わないと思う。
兵太夫はそれに気づいちゃってるから諦め気味なくせに意地っ張りなので踏ん切りつかない感
じだと思う。






 

 

 

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