引き寄せて、抱き締める。
触れ合ったところから伝わる温度。

「泉・・・?」
「黙れ」

一年ちょっと前なら、こんな風に手を伸ばすなんて考えたことはなかった。
一年ちょっと前なら、こんな風に手を伸ばしてもきっと届かなかった。

「泉ー?気分悪いなら保健室・・・」
「うっさい、黙ってろ」

なのに、今じゃ手を伸ばせばこんなに簡単に手が届く。

「おい、ここ学校」
「黙ってろっつってんだろ」

いつだって見ていた背中は、もうマウンドにはない。
マウンドから遠ざかった分、この距離は近くなった。
それが少し、もどかしくてムカつく。
いっそ一生触れられないもんだったら、諦めもついたのに。

「んで、こんな簡単に手の届くとこに来たんだよ」
「泉さーん?話が見え・・・」
「ぜってー、手放してなんかやんねー」
「いや、普通に意味わかんねーんだけど」
「わかんねーならそれでいい。お前の意見なんかきかねぇし」
「酷っ!!」

一度手に入ったもんを手放せるほど、俺の心は広くない。











同一願望









(だから、お前が嫌だって言っても離してなんかやらない)









シリアス目イズハマ。
というか、泉→浜?相変わらずうちの泉さんはゴーマンです。
絵はラブラブっぽくしたのにね。










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