「オレ、大きくなったら魔道師になる」
「そんで、いっぱい魔法覚えてこの国を守れるくらい強くなるんだ」
それは、俺たちがまだ兄弟のように手を繋いで歩いていられたくらい幼い頃の記憶。
「オレ、この国大好きだから。なくしたくないんだ。だから、絶対この国を守れるくらい強い魔術師になるよ」
黄昏時、赤く染まった空を見上げながら拳を握って呟いた浜田の誓いは、とても真剣で。
だけど、どこか壊れてしまいそうに危なげで。
それならオレは
「じゃあ、オレは大魔道師になってやるよ」
こいつを守れるくらい強くなってやろうって思ったんだ。
「そんで、お前が守りたいもん。一緒に守ってやるよ」
誰よりも、こいつのそばで。
僕らの王国
―始まりの話―