Anjelica
様からお題を拝借しました
ともだち#10
*01 ともだち(銀時)
*02 いつも一緒(仔高ヅラ銀)
*03 お喋りの時間(山+新)
*04 喧嘩をした(仔高杉+銀時)
*05 嫌われたくない(仔沖田→土方)
*06 仲直りしよう(桂と高杉)
*07 遊びに行こう(攘夷4人)
*08 例え違う道を選んでも(ヅラ+坂本。攘夷時代。坂本戦線離脱前)
*09 友情は永遠(高杉+坂本。攘夷時代、坂本戦線離脱前)
*10 これからもよろしく。(坂+ヅラ+銀。対高杉戦妄想)
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01 ともだち(銀時)
守りたかったから戦った。
戦ったから守れなかった。
戦う以外に守る方法を知らなかった。
なぁ、俺はどこで間違えた?
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02 いつも一緒(仔高ヅラ銀)
「大体!お前のそういういい加減なところが俺は嫌いなんだ。少しは回りに迷惑をかけないよう気をつけろ!お前もそう思うだろう?銀時」
「うっせーな!迷惑だって思うならほうっておけばいいだろ!俺だってお前のそういうネチネチしたところが大嫌いだよ。京女かって言うんだよなぁ?銀時」
「・・・・・・」
「馬鹿か、京女だけじゃなくても女子は皆ネチネチしてるわ。そういうところも含めて包み込む度量の大きさがないからお前はそんなちっさいんだ。そうに違いないぞ銀時」
「ちっさい言うな。お前、アレだぞ?年上だと思って油断してたら今に俺だって成長期になんだからな?そしたら絶対お前の身長抜かしてツムジ押してやるかんな!ピコピコおしてやるかんな!絶対だかんな!そしたら一緒に大笑いしてやろうぜ、銀時」
「・・・・・・・・・・」
「何をォォォ!?貴様、やっていいことと悪いことがあるんだぞ。こうなったら今のうちに俺がお前のツムジを押してくれる!」
「はっ、返り討ちにしてやんぜ!かかってきやがれ!」
「だー!もういい加減にしろテメーら!何で俺を挟んで喧嘩してるんだよ!何の嫌がらせだオイ!そんなに嫌いならお前ら一緒に帰らなきゃいいじゃねえか!」
「「やだ。そんなことしたらお前(てめー)とも帰れなくなる(じゃねーか)だろう」」
「・・・ホント何なのお前ら・・・」
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03 お喋りの時間(山+新)
「んで、副長ときたら人のカツどんにまで土方スペシャルにしちゃうんだよ」
「うわぁ、想像しただけで胃がもたれそう。でも、その点ではうちはましかもしれませんね。銀さんは基本的に人のご飯にまでは意見しませんから」
「いいなぁ、うちの副長も自分の嗜好としてだけこだわってくれればいいのに。でも、あれであの人なりに精一杯気を使った結果だから断れないんだよねえ」
「純粋に善意で考えてくれた結果じゃ断れませんよね。方向性間違ってますけど。その点銀さんは他人のことを考えてじゃなくて自分が甘いものを食べれれば、後はどうでもいいんですよね。煮物とか、見張ってないと砂糖しか入ってないみたいに甘くされることもあるし」
「え、万事屋の旦那って飯ィつくれるの?っていうか、作るだけましじゃない。うちの副長なんてカップラーメンすら作れるか怪しいのに人が飯を作ったそばからマヨネーズかけるよ。そういうことするなら自分で作ってくれって感じだよ?殴られるから言わないけど」
「銀さんはなんだかんだと言ってあれでも器用ですからね。意外と上手いですよ、料理。そういう仕事が来るときもあるし、何より土方さんと違って他に作ってくれるような人もいなかったんですよ。きっと」
「いやぁ、そんなことないんじゃない?旦那アレでも意外とモテんでしょう?俺ァこの間旦那のストカーしている女を見たよ」
「あぁ、さっちゃんさんですね、それ。あの人はまた別次元で生きている人なんで指標にはなりませんよ。あ、お茶のおかわりはどうですか?」
「あー、どうもすみません。そっか、やっぱ特殊な人なのか。変な人だったけどなかなか美人だったから、旦那も中々隅におけないなぁって思ったんだけどなぁ。うちの副長は顔はいいけど薄情だからそういう情熱的な話はほとんどないし」
「確かに土方さんってそういうところ割り切ってそうですもんね。でも、大人の男の人らしくていいんじゃないですか?あ、茶柱」
「いやいや、アレは駄目な大人だから。憧れたりとかしちゃ駄目な部類だよ。あ、本当に茶柱立ってる」
「あはははは、憧れませんよ。僕はああいうタイプには来世でもなれないだろうなって思いますもん」
「・・・オイ地味二人。何、人ん家で自分の上司をネタに地味に盛り上がっちゃっているわけ?OLか?オフィスレディきどりかテメーら。つーか、何時の間に友達になってんだテメーら。地味同士で固まられても話が真っ当すぎて作者はオチをどうもってきゃいいかわかんねーだろーが」
+04 喧嘩をした(仔高杉+銀時)
「高杉〜、カンケリすんぞ。カンケリ」
「行かない」
「んだオメーまたヅラと喧嘩でもしたのかよ。面倒くせえ。いいからカンケリすんぞカンケリ」
「絶対行かない。どうせあいつもいるんだろ!やだ!!」
「ああ?ざけんなコノヤロー俺ァもう、お前を連れてくるって言っちまってんだよ。手ぶらで帰ったらカッコ悪だだろ、何か」
「知るか、勝手に帰れ。勝手にカッコ悪くなれ。ヅラに役立たずって言われてこい」
「うるせえ、お前が言われろ。鬼にすぐ見つかって役立たずって言われてこい」
「だから行かないって言ってるだろ!!」
「そうかよ!じゃあもう、高杉はヅラに恐れをなして逃げたから俺が役立たずな訳じゃないって言うからな!しかもヅラに言うかんな!」
「なっ!ざけんな銀時!」
「へっへ〜んだ!悔しかったら捕まえてみやがれチビ杉!俺だけなんてケチなこと言うなよ!俺もヅラもみんな捕まえろよ!」
「上等だ!やってやんよ!」
「おっし!聞いたなヅラァ!皆ァ!高杉が鬼だぞ逃げろ〜」
「ヅラじゃない、桂だ!わかった!ちゃんと五十数えろよ高杉!」
「うっせえ!絶対捕まえてやるかんな!バーカ!」
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05 嫌われたくない(仔沖田→土方)
あぁ、全くアイツは気に食わない。
後から来たくせに当たり前の顔して、俺が行きたかった場所に何時の間にか立っていて。
俺の大事なもんを、当たり前の顔して掻っ攫う。
気に入らない。気に食わない。大嫌いだお前なんか。
だけどそれでも、俺の大事な人たちはアンタのことを好きだから。
あの人たちに嫌われたくはないから。
「せいぜい、虐め倒すくらいで我慢してやりまさァ」
「いや、我慢してねえだろ。つーか、ほとんど殺しにかかってる奴が言う台詞かコラァ!」
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06 仲直りしよう(桂と高杉)
まだ、間に合うだろうか。
まだ、この声は届くだろうか。
まだ、この手は届くだろうか。
気に食わない奴だけれども。
お互い罵りあうようなことしか出来なかった俺達だけれども。
まだこの声が、手が届くのならばどうか。
昔のように。
昔みたいに、どうか。くだらない喧嘩をしようじゃないか。
「俺は、お前を仲間だと思っている」
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07 遊びに行こう(攘夷4人)
「おい!次は射的な!射的すんぞ!おい!」
「あまりはしゃぐな高杉。そして一人で先に行くな」
「うっせぇヅラァ!今日は祭りだぞ!祭りのときはテンションあげるもんだろ!法律で決まってんだよ!」
「ヅラじゃない桂だ!貴様はしゃぐのは勝手だが、この人ごみではぐれてみろ!お前はちっちゃいんだから見つからなくなるだろうが」
「そうだぞ〜高杉〜。お前ちっさいんだからこの人ごみで離れた日にゃ、部屋でうっかり離したハムスター並みに見つけられなくなるだろうが。そしたらお前、ホラ、迷子だぞ?その年で迷子だぞ?ちょっと落ち着け」
「ちっちゃいとか言うな!俺ァこれでも170はあんだよ!お前らが何かこう、スクスク育っただけだ裏切り者!って言うか銀時テメー両手に持ってる綿菓子やらチョコバナナやら林檎飴はなんだァァァ!お前こそきっちり祭りをエンジョイしてんじゃねーか!何時買ったァァァァァ!!」
「まーまー、落ち着け高杉。ほれ、そこでイカ焼きば買って来たぞ。おんしも食うやお?」
「坂本・・・お前・・・」
「いっぱい食べて早く大きくなるんじゃぞー」
「やっぱりな!一瞬でもいい奴と思った俺が馬鹿だったァど畜生!!」
「コラ高杉どこへ行く!」
「うっせえ俺の勝手だバーカ!馬鹿ヅラ」
「ヅラじゃない、桂だっ!待たんか高杉ィィィィ!!」
「おー、すごいのう。この人ごみン中二人とも、もう姿が見えんぜよ」
「・・・辰馬、お前ひょっとしてわざとか?」
「あ、金時クレープやってるぜよ。クレープ」
「わっかりやすいごまかし方してんじゃねーぞ!オイィィィ!!」
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08 例え違う道を選んでも(ヅラ+坂本。攘夷時代。坂本戦線離脱前)
「本当に行くのか」
「あぁ、思い立ったが吉日っちゅーしのう。行ってくるぜよ」
「・・・そうか。体には気をつけろよ、あと、何かあったらいつでも戻って来い」
「アッハッハ、まるで母親のような台詞じゃな、ヅラ。ほきにおんしは面倒見がええ奴じゃ」
「ヅラじゃない、桂だ。仕方ないだろう、手のかかる奴が三人も近くにいたんだ」
「アッハッハ、え、ひょっとして高杉と金時だけじゃのうてそんなかにワシも入れられてる?え?ワシおんしより二つ年上なのに?」
「自覚がないのか。厄介なやつめ」
「アッハッハ、まぁこれからは二人で済むんやきよかったぜよ」
「・・・その二人がお前の倍手がかかるんだがな・・・」
「あー、まあ頑張り?後のことは任せるちや。おんしならいけるろー?」
「他人事と思って勝手を言うな」
「アッハッハ、違いない。やけん、ほきに金時と高杉のことは頼む」
「・・・・・・・」
「金時も高杉も強いが人に頼るっちゅうのが下手なぁ奴じゃ。上手く支えてやってほしい。ワシの分まで」
「・・・・・・・あぁ。善処する」
「頼んだぜよ。それじゃあ、ワシはもう行く。落ち着いたらまた、連絡するろー」
「あぁ、達者でな」
「あぁ、おんしもなヅラ」
「ヅラじゃない、桂だ」
お決まりの台詞に笑って見せて、そうしてあいつは違う道へと歩いていった。遠ざかる背中は振り向くことなく、俺も呼び止めることなく見送った。
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09 友情は永遠(高杉+坂本。攘夷時代、坂本戦線離脱前)
勝手な野郎だと言うことは知っていた。それでも。
「ワシはおんしらのことばずっと仲間と思うちょる」
「・・・ざけんな」
「ふざけちゃーせん。勝手だってこともよおわかっちゅう。やけど、ほきもワシはおんしらを仲間だって思っちゅう」
「よく言うぜ、逃げるくせに」
「そう思うてくれてもかまわん。ワシはワシの戦いをするだけちや」
「っ勝手にしろ!てめえの馬鹿面見ないですむんだ。せいせいすらぁ」
「アッハッハッハ。ほきに口の悪いやつじゃのう。淋しいなら淋しいと素直にいやーええが」
「誰が言うか!このモジャ公!カラ頭!!宇宙にでもどこでも行って病気うつされて来い。使いもんにならなくなれ」
「アッハッハ、泣いていい?――――――――高杉」
「んだよ、勝手に泣・・・」
「死ぬんじゃないぞ。どこにいようとワシはもう仲間ば失うのは勘弁ぜよ」
まるっきり反則だ馬鹿野郎。
続く台詞も言えないまま、俺は黙ってそいつの頭をはたいた。
空なだけあっていい音がした。
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10 これからもよろしく。(坂+ヅラ+銀。対高杉戦妄想)
「叱り飛ばすんはヅラの役目」
「ヅラじゃない、桂だ」
「殴り飛ばすんは金時の役目」
「だから、金時じゃねーって言ってんだろ。モジャ公」
「そんで、とっ捕まえるんはワシの役目。いつもどおり、じゃろ?」
かわらんぜよ。なぁんも。と、言いながら辰馬は手黒い鉄の塊にに弾をこめた。
強がりだ。
精一杯の強がりだ。わかってる。
けれどそれでも。
「そうだな。いくつになってもあいつの手のかかるところは変わらない」
「そりゃーきっと育て方間違えたんだろー。ヅラが」
「ヅラじゃない。桂だ。俺一人に責任を押し付けるな。アイツが喧嘩っ早いのはお前の影響だろう。お前の背を見て育ったせいだろう。というかそう考えると元凶じゃないか貴様」
「いやいや、俺と会う前から喧嘩っ早かったから、アイツ。もともとの性格だって。つーか絶対オメーが口うるさすぎたせいだって。母親レベルだったぞ、お前。だからアイツはいい年んなっても反抗期真っ只中なんだよ。硝子の少年の心を持ち続けちゃったんだよ」
「あっはっは、硝子は硝子でも防弾硝子ちや。アレは」
「違いない」
せいぜい笑って挑んでやろう。
再び共に笑えるように。
時間を戻すことなんて出来ないけれど。
「そんじゃまあ、行くとしますか。よろしく頼むぜ野郎ども」
「あぁ、行くとしよう」
「行くがか」
もう一度アイツも一緒に笑えるように俺達は歩き出した。この想いだけは譲れないから。
例えその先が悪夢だとしても