「魚になれたらいいのに」

陸に上がって開口一番呟いてみた。

 

 

 


溺れる魚(網問と東南風)

 

 

 

 


俺は水の中が好き。
冷たいけど温かで、優しいけど厳しいこの海が好き。
だからいつまでも潜っていたくなる。
でも、俺は人間だからどうしても苦しくなって陸に上がらなきゃいけなくて、それは凄く悲しい。
だからね、言ってみた。
そしたら東南風は少し考えて言ったんだ。


「そしたら此処には帰れなくなるぞ」

って。だから俺も少し考えて「じゃあいいや。まだ人間のままで」と言った。
海は好きだけど俺が帰るのは大好きなみんなのいるとこがいいから。
こんな馬鹿話でも東南風はむっつりと笑わなかった。

東南風と網問。東南風は長次みたいなイメージ
網問はそんな東南風になついている犬っころみたいなイメージ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「忍者は迷っちゃいけないんだ」

うん、それが君の持論だってことは知ってるよ。

「だから、一度決めたことは貫き通さなきゃいけないんだ」

人の意見もそれなりに大事だと思うけどなぁ

「無論、だがそれを取り入れるか否かは自分の決断によるもので、人にどうこう言われる筋合いなどないだろう?」

間違いだったとしても?

「そんなもん、自分で確認もせずに決めるものじゃないだろう。もしかしたら合ってるかも知れない。それを確認できるのは己だけだ。だからな、伊賀崎」


「人がなんと言おうと、お前が毒蛇だのを飼っていようと私がお前を友と認めたんだから私とお前は友達だ」


そう言ってひたすらまっすぐに笑う毒のないお前の笑みは僕も好きだよ。

 

 


ー友達ー (孫兵左門)


孫兵と左門の関係。左門は馬鹿だけどまっすぐないい子だと思います。
というか曲がったことが出来なさそうなんで、孫兵が何を飼っていようと周りから何といわれようと関係なく友達だとか言っちゃう青臭さがありそうです。
しかしWEBでしか出来ないなこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せめて涙が止まるまでで良いから
「歌って」



卒業


澄み渡った三月の晴れた日。私たちが高校生でいられる最後の日。いつもみたいに屋上へ向かうと、いつもみたいに貴方が立入禁止の札を無視して空を眺めてて。
だから私もいつもみたいに窓から屋上に出て貴方の隣に座った。いつもとは違う涙でぐしゃぐしゃの顔で。
「・・・」
彼は、何も言わない。それは、全くいつも通りで。でも、彼の顔を見た途端その『いつもどおり』も今日で終わりなんだと実感して。
「・・・っく・・・っふ・・・」
式が終わって落ち着いたはずの涙がまた、ぼろぼろ止まらなくって何も言えなくなった。
言わなきゃいけない言葉があるのに。


「・・・ねえ」

短い言葉でもなきゃ大声で泣き叫んでしまいそうで。

「あんだよ」
「歌って」


泣きやむまででいいからと私は我が儘をいった。


「あおーげばーとうーとしー」
「・・・何で・・・っく。この場面でそれ・・・歌うのよ」
「卒業式だから」
「・・・意地悪」
「嫌なら泣きやめよ」
「無理、もうちょっと」
「早くしねえと追いコンまにあわねえぞ」
「もうちょっとだから」



泣きやんで、貴方に『好だよ』と言えるまで、どうか。


「歌って」


前に友達に送ったもの再利用
創作のつもりだったんですが友人いわく「ヒルまも」らしいです。見えますか?(聞くな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大体にして加藤団蔵という僕の友人は少々大雑把過ぎると思う。
こんなときは切実に

 

君という人

 



「ねえ庄ちゃん」
「駄目」
「・・・まだ何も言ってないよ」
「お団子食べてから帰らない?だろ?」
「うわ、何でわかんの?」
「だって団蔵わかりやすいもの。だよ。夕飯に間に合わなくなっちゃうだろ」
「えー、まだ羊の刻くらいだし大丈夫だろー?」
「駄目、団蔵だって早く帰りたいだろ?」
「なんで?」
「なんでって・・・それ脱ぎたくないの?」
「んー別にもう慣れたからどうでもいい」
「・・・お前な」
「それよりさ、やっぱりあそこの茶店行こう?一皿二人で半分なら夕飯食えなくなる心配ないだろ?」
「しょうがないな」
「やったー庄ちゃん大好きー」
「ちょっ、急に抱きつくなよ」
「あはは、女の子に抱きつかれてるみたいで恥ずかしい?」
「な、馬鹿っ」
「あはは、図星だー」
「ちっ違っ」
お前だからだよとはさすがに言えなかった。


 

庄団と言うか庄→団?
むっつり庄左ヱ門は基本的に自覚なしの甘やかしぃです。
それにしてもこの団蔵頭悪そう(黙れ)

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