先生と一緒
努力する根気と情熱。
諦めることのない前向きな姿勢。
夢のため、とまっすぐ向き合える強さをこの子は持っていて。
けれどやはり、才能もなく哀れなくらい不器用で。
「やはり、お前さんには向かんのだろうなぁ」
教師としてはこう言ってやるしかない訳だが。
「でも、やっぱり僕は忍者になるのが夢なんです」
何の迷いもなく言ってみせる、この子の。
未来が、少しでも優しければいい。
背中を押すことなど出来ないけれど。
山田先生と小松田。
教師としてはどうしようもなく向いてないからこそ止めたいけれど
誰より一生懸命だから応援したくなってしまってもどかしい子だと思う。
それにしても、こういうわけだったんだねえ。
年に数ヶ月しかいないようだけど仕事はちゃんとしているようだし。
少々野暮天なところもあるけど人が良いし物腰にしたって丁寧だ。
挨拶だってちゃんと出来て、見た目だってまぁ、悪くない。
けどその年で嫁も貰わず、こっちが持っていく見合い話も断ってばっかりいたろう?
てっきり、衆同の気があるんじゃないかと近所で噂にまでなってたんだよ。
それが、あんな可愛らしくて働き者のしっかりした子を連れてきたんだからねぇ。
「で、どこで仕込んできたんだい?それとも稚児趣味だったのかい?」
稚児趣味でもなければ、この年であんなでかい子持ちになった覚えもない。ついでにいい嫁を貰ったかのような言われようも疑問だし、そもそもあの子はしっかりしていないんだがなぁ。
苦笑いしながら、土井はまず何から突っ込むべきか考えた。
土井先生と近所のおばちゃん。
きり丸を初めて連れて帰った頃は、絶対問いただされていると思う。
いいですか?
ここに入った以上は、どんな軽い怪我であろうと死に追いやれることを覚えなさい。
任務を全うするためにも、怪我には細心の注意を払い、実習中は真剣に取り組みなさい。
そして、怪我をしたときはすぐに私のところに来てちゃんとした治療を受けなさい。
どんな軽い怪我でも放っておいてはいけません。
体の治療も心の治療も、責任持ってやりましょう。
それが、私の仕事です。
ですからね。
「それが、ご実家でつけられた隠しておきたいような傷であろうと、遠慮したり隠したり、放っておくほうが私は怒ります」
痛みに泣き、声を出し助けを呼ぶ権利は貴方にもあるのですから。
シリアス設定の長次と新野先生。
長次の傷がありがちに虐待とかだったらこんな場面も考えられるよなぁと。
自分の中ではにゃんこに引っかかれたが一番有力ですが。
俺が一年坊主だった頃のことだ。
尊敬していた先生が、突然ここをやめることになってな。
「俺、でっかくなったら先生みたいな忍者になるんだ」
泣きながらそういった俺に、先生は一言いって下さったのだ。
「バカタレ、どうせならど根性で忍術学園の学園長ぐらい目指さんか」
と、がしがし頭をなで繰り回しながらな。
それ以来、俺はそれこそ俺が目指すべき道と歩んできたんだ。
馬鹿にする権利が誰にある。
「・・・だからってこの時期の就職第一希望が、学園長じゃ先生から呼び出し食らうよ」
「バカな!」
いや、馬鹿なのはおまえ自身だからと伊作は溜息をつき、茶を啜った。
文次郎と大木先生と伊作。
だって、某Aさんが文次郎は大木先生を尊敬してるなんて萌え設定言い出すから!
『けむくじゃらで、こわいかお。
せがたかくって、きんにくもりもり。
ものすごぉいはずかしがりやで、すぐにしげみにかくれちゃう
だけど、やさしくてほんとはゆうしゅうなにんじゃである
そんなまつちよせんせいがぼくらはだいすきです
だからはやくげんきになってください。
いちねんはぐみ。』
つたない字で一生懸命書かれた手紙は、気恥ずかしくて。
でも、それ以上に嬉しくて。
熱で赤くなっていた顏が更に赤くなり、私は頭から布団をかぶり直した。
松千代先生とは組。
松千代先生っては組好きだよねー。
だって問題児sを「良い子達」ってさらっと言ってるもん。
は組もそんな優しい松千代先生が大好きだと良いなぁ。