かみなり(ちみ清団)




ぴかっととおくのやまにいなびかりがひかった。

「「いーち、にーぃ、さーん、しーぃ」」

ごろごろごろと、かみなりさまがたいこをならした。

「今度はよっつめでしたねぇ」
「おっきかったねぇ。あ、せーはち、せーはちまたひかった!」
「え、あ!」

ゴロゴロピシャーン!

「わー!すっごいすごい!!」
「わ、若旦那、大丈夫でしたか!?怖くなかったですか?」
「へーき。でも能はこわがってるかもしれないからあとでいってやらなきゃだね」
「はぁ、若旦那は強い子ですねぇ」

そういってせーはちはぼくのあたまをがしがしなでた。
とぉちゃんのかみなりとちがって、せいはちのひざのうえでていっしょにかぞえるかみなりはたのしいからすきだ






ちみ清団は妄想がとまりません。






そりゃぁさ、確かに色々大変な時期もあったけどさ。
毎日食うにも困らないし、夜露をしのぐ屋根があるどころか布団で眠れて。
アルバイトはきついけど楽しいし。
無茶をすれば叱ってくれる友達もいる。
変わってるけど面白い先輩だっているし、頼りになる先生だっている。
バイトを手伝ってくれる家族もいるってのにさ。



あの人俺のドコを見てかわいそうだ何て言ったんすかね?
そういって心底分からないというように目の前の子供は首をかしげた。
そうだな、そうして笑えるお前が可哀想なんて似合わない。
幸せそうと間違えたのさと、私は子供の頭を撫でた。




土井ときり丸。
この二人はドコまでもほのぼの親子であって欲しいと思う。






乱太郎さまみたいに足が速いわけでもない。
きり丸さまみたいにお金の計算に強くもない。
庄左ヱ門さまみたいに頭の回転が速くもなければ、団蔵さまみたいに乗馬が出来たりもしないし。
伊助さまみたいによく気がついたり、兵太夫さまみたいに罠が作れたりもしないけど。
私の兄様はお兄様だけで、私はそんなお兄様が大好きです。





福富兄妹、仲良し兄妹。大好き。






抱いてみる?と母さんに言われて恐る恐る手を伸ばした。
抱き上げた体は見た目よりずっと、重くって。
頼りないのに温かくて。
一つの命の重さを知った。
こんにちは、初めまして僕の弟。






庄左ヱ門と庄二郎ちゃん。
年の離れた兄弟って可愛くて仕方ないと思う。







「わたしねぇ、おおきくなったらとぉちゃんみたいなにんじゃになるんだ」

「かぁちゃんがいってたにんじゃしているときのかっこいいとおちゃんみたいになるんだ」
「それでいつかとおちゃんいじょうのいちりゅうのにんじゃになってみせるよ」
そう言ってきゃっきゃと笑うわしの子がどうか私以上に幸せになれればいい。
私を越えて一流忍者になって、私以上に幸せであればいい。
間違いなくつらい道もあるだろうが、私はひたすらそれを祈ろう。






乱太郎と父ちゃん。
猪名寺家は理想的な家族の一つの形。
拍手有難うございました。

 

 

 

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