「ごめんくださーい。加藤村馬借便でーす」
「はぁい」
はらり、はらりはらはらと。
それはまるで
5, 心華(しんか)
今日も僕は馬に乗って、父ちゃんの仕事のお手伝い。
今日のお客は洛北の炭屋の黒木屋さん。
河内の方まで運んで欲しいと言う注文で、僕と父ちゃんとで品物を受け取りに行くとお爺さんと僕と同じくらいの男の子がそこにはいて。
「それじゃあこれだけお願いしますね」
てきぱきと僕の父ちゃんに頼んできた。
僕はその子のしっかりした様子に圧倒されるばっかりで。
すごいなぁって感心したのが最初。
それからちょくちょく届け物をしたり、配達を頼まれたりするうちに何だか仲良くなっていって。時々遊んだりするようになったそのうちに、心にねほわって咲いたんだ。
世界の色さえ変わるような綺麗な花が。
君色の花が、心にほわって咲いたんだ。
今日も僕は爺ちゃんと、店で二人でお店番。
今日は近江の馬借の人が、河内への配達の品を取りに来て。
置いてる場所に案内しようとしたら、馬借のおじさんと僕くらいの男の子がついてきていて。
「父ちゃん半分は能高速号につむんだよね?」
と一生懸命手伝いをしていていた。
僕は同じ位なのに馬の使い方に慣れていてすごいなぁって思って。
偉いなぁって感心したのが最初。
それからちょくちょく届け物や配達を頼むうちに何だか仲良くなっていって。
時々遊んだりするようになったそのうちに、花が咲くのが分かったんだ。
世界の色さえ変わるような綺麗な花が。
君色の花が、心に咲くのが分かったんだ。
咲いた咲いた、綺麗な花が
世界の色さえ変える綺麗な花が
互いの心に見事に咲いた。
綺麗な綺麗な恋の華
了
14巻で庄ちゃんだけが団蔵の実家を知っていたのをいいことに捏造した幼馴染ネタ。
いいじゃん、19巻で帰る方向おんなじだったり、春の引越しシーズンで忙しいこと知っていたり、実際配達を頼んでいたりするんだからこのくらい夢見たってさ。
まあ、本当に幼馴染だったら庄左ヱ門羨ましいと言い切りますが。
戻る